メキシコ政府は、中国やその他の国から輸入される特定の製品に対して、最大50%の関税を課す新たな措置を正式に承認しました。この関税は2024年1月1日より適用され、自動車、衣料品、家電製品など多岐にわたる商品が対象となります。メキシコ財務省の発表によると、この関税引き上げは、国内産業の競争力強化と貿易赤字の改善を目指す政策の一環として位置づけられています。
近年、メキシコは中国からの輸入品が急増し、特に自動車部品や消費財の分野で依存度が高まっていました。これにより、国内製造業が圧迫される懸念が強まっており、政府は関税の引き上げを通じて国内産業の保護を図ろうとしています。また、関税措置はメキシコの貿易収支の改善にも寄与することが期待されています。
しかしながら、今回の関税引き上げは消費者にとっては価格上昇を招く可能性が高く、特に低所得層への影響が懸念されています。さらに、中国をはじめとする対象国との貿易摩擦が激化する恐れもあり、国際的な経済関係に波紋を広げる可能性があります。メキシコの輸入業者や小売業者からは、供給チェーンの混乱やコスト増加への懸念が表明されています。
### 背景と注意点
メキシコは北米自由貿易協定(USMCA)加盟国として、アメリカやカナダとの経済連携を強化してきましたが、中国からの輸入増加に伴い、国内産業の競争力低下が問題視されてきました。今回の関税措置は、こうした状況に対応するための防衛策といえます。ただし、関税引き上げが必ずしも国内産業の競争力向上に直結するわけではなく、消費者負担の増大や貿易パートナーとの関係悪化といった副作用も考慮する必要があります。
### 今後の注目ポイント
メキシコの関税引き上げが、対中貿易にどのような影響を及ぼすかが注目されます。中国側の報復措置や、他の貿易相手国との摩擦拡大の可能性も視野に入れる必要があります。また、国内消費市場の動向や企業の対応策も重要な観察ポイントです。さらに、北米地域のサプライチェーンに及ぼす影響や、他国の貿易政策への波及効果も今後の焦点となるでしょう。
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【出典】
https://www.bbc.com/news/articles/c36z43ll06zo?at_medium=RSS&at_campaign=rss



